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○財布の口を開けさせよう

不景気です。毎日毎日、不景気です。
朝起きてテレビをつけると、朝の報道バラエティーの司会が「不景気だ、不景気だ」と不景気な顔をしています。
出社すると朝礼で「不景気だ、不景気だ」と言われます。
仕事中も、出入りする業者の方が、「不景気で大変だ」と言います。
家に帰ったら、妻が家計簿を見ながら「不景気だわ」とため息を漏らし、旦那のお小遣いを減らすのです。
こう毎日、毎日「不景気だ」を聞かされたら、本当に心の底から気分が落ち込んでしまいます。

１月から景気の悪い話をしてきましたが、もうやめにして、景気のいい話をしましょう。

ホンダのインサイトという車が、売れています。
２月６日に販売を開始しましたが、３月にはいる前に、受注が１万５千台を超えました。
納車は、一ヶ月以上先になる人もいるようです。
ホンダのインサイトは、電気モーターを補助に使うハイブリッドカーと呼ばれる車で、事実上独占状態だったトヨタに対抗するために投入されました。
モーターとエンジンを使う車でありながら、200万円をきった価格設定と、エコカーは税金を優遇される、という流れにうまく乗った、ということもあるのですが、やはり消費者は、本当にいいもの、買いたいものには財布のヒモを緩めてくれるし、多少納期が長くても待ってくれるということなのだと思います。

「他社に同じような性能で、安いのがあるけれども、私は、あなたの会社の機械がほしいのだ。あなたの会社の機械でないとダメなんだ」

そんなふうに言われたいではないですか。
言われたいと願うだけでなく、そう言わせるものを作りたい、と日々思い、そして作っていく会社こそ、どんな状況でも乗り切れるのだと思います。