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○その常識は、誰の常識？

「これから暑くなるし、さっぱりとしたいんですよね」
理髪店でそう言った後、クーラーの快適温度で眠ってしまい、目覚めて鏡に映った自分の姿を見て……。
「どうして丸坊主なんですか！」
「いえ、さっぱりしたいと言われたもので」
こんなことなら最初から「夏が来るので、いつもより短めにお願いします」と言っておけばよかった。
時すでに遅し、切った髪は頭に戻すこともできません。

それでも髪の毛はいつか生えてきますが、しゃれにならないことが愛媛県で起こっていました。

愛媛県八幡浜市。
土手の雑草が道路のほうにまで伸びてきて、邪魔になっているという市民の声を受けて、市の職員が刈り取りを指示しました。
そのときに上司が「この際、すっきりしよう」と担当者に話したところ、土手にあった桜の木まで伐採してしまった、とのことです。（2009/7/2 読売新聞地方版より）

髪の毛と違って、桜はもう生き返りません。

上司の立場からすれば「すっきりしよう、とは言ったけれど、常識的に考えて桜なんて切らないだろう」と思っていたのかもしれません。

常識ってなんでしょう。
エビフライに何をかけますか？ 私はソースです。父は醤油です。私のいとこはマヨネーズが「常識」でした。家族や親戚でさえこれだけ違います。
常識は、人によって違うのです。

日常生活でも、企業活動においても「これは常識だから言わなくても分かっているだろう」と思っていて、伝えることなくトラブルになることは、いくらでもあります。

普段から「自分の常識と、相手の常識は違っているかもしれない」と頭の隅に置いて話や指示をすることが重要であると思います。