2006年のつぶやき
2006年4月のつぶやき
○ニートに就職支援など不要。放っておきなさい
【超バカの壁 養老孟司:著 新潮新書680円(税別)】
この本は養老孟司氏が書いて大ヒットした「バカの壁」の続編です。世の中にあるいろいろな「問題」に対して、養老氏が「私はこう思う」という考え方を述べた本だと、まえがきに書いてあります。
その第一番目の問題が「若者の問題」です。
若者で定職につかない人が多くなりました。その理由で一番多いのが「自分に合った仕事を探しているから」というものです。養老氏は「それはおかしい」と書いています。
《 仕事というのは、社会に空いた穴です。道に穴が空いていた。そのまま放っておくとみんなが転んで困るから、そこを埋めてみる。ともかく目の前の穴を埋める。それが仕事というものであって、自分に合った穴が空いているはずだなんて、ふざけたことを考えるんじゃない、と言いたくなります。》
失業者、には腹が立ちません。それはまだ「就職したい」という意思があるからです。ニートは見ていて腹が立ちます。なぜでしょう、ニートは働いていませんし、働こうともしません。働いてはいませんが貧乏ではありません。部屋があって食事もあって、インターネットなどもやっています。なぜそんないい暮らしができるのか。それは他人のお金(主に親ですね)を使っているからです。ムカムカしますね。
では養老氏はニートをどうすればいいと思っているのか。「放っておきなさい」です。ニートをあの手この手で社会に出したとしても、かえって大迷惑になる可能性が高い、だったら放っておこう、と。大胆な提案です。彼らがいるから、地味に地道に働いている我々の価値が上がるのだ、と考えた方がいいじゃないかと。腹を立ててもしょうがないと、そういうことです。
面白い考え方です。この本の中には「こんな考え方もあったのか」という発見がたくさんあります。ただ、あくまでもこの本は、世の中のいろいろな問題に対して養老氏個人の「考え方」を示したものであって「答え」が書かれているわけではありません。