本文へ移動
2025年3月
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
  • 土曜休日
株式会社伊予機械製作所

〒799-0403
愛媛県四国中央市三島朝日
2丁目13番28号
 
TEL.0896-23-3515
FAX.0896-24-5665
 
0
8
3
7
1
3

2001年のつぶやき

2001年6月のつぶやき

ほ、ほ、ホタル来い
夏休みの、ある夜。
浴衣姿の少女が、最後の一本になった線香花火に火をつける。ほんの数十秒という火の芸術を楽しむと、線香花火は、赤い玉となって、地面に落ちる。
まわりを照らす光がなくなり、静かな時間が流れていく。
空に、緑色の光が、点滅しながら移動しているのが見えた。
「あ、ホタル……」
しばらくは、ホタルのはかない光を楽しみたかったが、突然、家の電灯が灯され、お盆を手に持った母親がやってくる。部屋の明かりが強すぎて、ホタルは見えなくなっていた。
「はい、花火は終わり。冷えたスイカですよ」
と、こんな光景から考えると、ホタルというのは、なんとなく「真夏の虫」という感じがする。でも実際は、6月頃から羽化して、光りまくっているのだそうだ。
そのわりには、見ない。
伊予三島でも、父親の子供時代には、かなり見られたようだ。それが川のコンクリート化などで、ホタルの居場所を奪ってしまったせいか、ここ数年、いや十数年、ホタルを見たことがない。
ホタルのすみかを奪った人間が悪い。
誰もがそう考えているだろう。
そして。
「でもホタルのすみかを奪ったのは、少なくとも私ではない」
と、同時に思っているだろう。
そこが、環境問題の難しさではないか、と思う。
TOPへ戻る