今月のつぶやき
2018年1月のつぶやき
◆「できない理由を探すな」は魔法の言葉
「さてアルバイトの皆さん。当店では経費節約のため、来月から深夜のバイトを二人から一人体制にしていこうと思っています」
「ちょ、ちょっと待ってください。深夜とはいえ、いつお客さんがいつくるかもわからない状況で一人ではトイレにも行けませんし、防犯の観点からも一人では危険です。現実的に不可能ではないでしょうか」
「ええい、できない理由ばかり探すな。どうやったらできるようになるかを考えるんだ!」
「そんなあ」
「ええい、できない理由ばかり探すな。どうやったらできるようになるかを考えるんだ!」
「そんなあ」
特別に極端な例を持ってきましたが、なんと「できない理由は探すな」は、どんなに無茶な仕事を押しつけても、この言葉を使うことによって、なんだか「できないという側」が悪い、ことにできて、しかも対応策を考えることまで押しつけられるという魔法の言葉なのです。
少し意地悪な書き方をしましたが、ただ批判したいだけではありません。新しいことにチャレンジするときや、古いルールを改革するときに、人は変化を嫌う傾向があるので、そのままでいたいから、なにかと理由をつけて現状維持を保とうとしがちです。そんな心に訴えかけるには適切な言葉なのです。
ただ、これを過剰労働を強いる場合に使うと「いっさいの反論を封じる言葉」になってしまいます。
包丁は料理にも使えますが、人を傷つける道具にもなります。この言葉を使うときには「相手や全体を思ってのこと」か「ただ自分の都合のいいように相手を使いたいだけ」なのか、気をつけて使いたいと、私は思っています。